外壁塗装の高耐久塗料「無機塗料」の特徴・メリット・デメリット
外壁塗装で使用する塗料にはさまざまな種類があり、特に高耐久性を誇るのが無機物を主成分とした無機塗料です。
このページでは、無機塗料の特徴やメリット、デメリットをご紹介します。
外壁塗装の無機塗料とは
無機塗料は無機物を配合して作られた塗料です。
外壁塗装に用いられる無機塗料の無機成分は珪石から生成された素材を使用しています。
珪石(石英)は地殻を形成する物質の1つとして自然界に存在し、珪酸分(SiO2)を主成分とする石英片岩です。
ガラスと同じ分子結合(Si-O-Si)は、有機ポリマー(C-C、C-O)よりもはるかに大きい結合エネルギーを持っています。
そのため紫外線や熱のエネルギーで結合を壊されにくく、強い対候性と難燃性を持っており、石英ガラス、光ファイバー、半導体などのほか、スペースシャトルの窓にも使用されるなど、多岐に渡る用途で活用されています。
無機塗料は無機物だけでは外壁塗装用塗料としての粘着性が劣るため、多少の有機物を配合しています。
そのため、「無機有機ハイブリット塗料」などと呼ばれることもあります。
また、有機物を一部含むため、耐用年数は永久ではなく、20~25年に1回は外壁塗装が必要です。
そのため、メンテナンスフリーではなく、あくまでも高耐久塗料となります。
有機塗料と無機塗料の違い
有機塗料は石油などの有機物を主成分とする樹脂を主成分としている塗料です。
樹脂にはアクリルやシリコン、フッ素などがあり、樹脂の種類により塗料の耐用年数や性能が変わります。
樹脂は紫外線に分解されるため、一定の年数が経過すると変色やチョーキング、ひび割れといった劣化症状が現れます。
一方、無機物はセラミックやケイ素、ガラスなどの無機物が主成分の塗料です。
無機物は紫外線で分解されないため、高耐久性能を持っています。
無機塗料のメリット
高耐久で劣化しにくい
無機塗料最大のメリットは耐候性が高く耐用年数が圧倒的に長い点です。
高耐久塗料として人気のフッ素塗料よりも長持ちします。
塗料は耐用年数が長ければその分、外壁塗装の頻度を減らすことが可能です。
一般的に外壁塗装は10年に1回が目安と言われています。
しかし、高耐久の無機塗料であれば20~25年に1回の外壁塗装で済みます。
カビや苔が生えにくい
無機塗料は高い防カビ性、防藻性を持っています。
これは有機物の含有量が少なくカビや苔の栄養分があまり含まれていないためです。
カビや苔は外観を悪くするだけでなく、根を張るため外壁材そのものにダメージを与えてしまいます。
無機塗料を使うことでコケやカビの発生を防ぎ外観を綺麗に保て、屋根材や外壁材を保護できます。
汚れにくい
無機塗料は高い防汚性も持っています。
親水性に優れ、雨が降ると水が外壁表面に広がって薄い膜となり、表面に付着した汚れを浮かせて雨と一緒に洗い流します。
ほこりや汚れが付きやすい場所に立地している住宅ではうれしい機能です。
熱に強く燃えにくい
無機塗料はガラスや石と同じ成分で構成されているため、火に強く燃えにくいという特徴があります。
一定の割合で有機物も含まれているためまったく燃えないわけではありませんが、有機塗料に比べて大幅に難燃性に優れています。
火が外壁に燃え移りにくい効果があるため、近隣で火災が起こった場合でも二次災害を防ぐ効果を期待できます。
無機塗料のデメリット
価格が高い
無機塗料は高耐久で機能性も高い塗料ですが、その分高額です。
施工単価では数百円の差でも、外壁塗装は外壁や屋根全体を塗装しますので、結果的に数万円~十数万円の違いになります。
ただ、無機塗料は耐用年数が非常に長く、スタンダードなシリコン塗料の耐用年数8~12年に対して20~25年の耐用年数があり、その分外壁塗装工事の頻度を抑えられます。
外壁塗装では塗料の費用だけでなく、足場設置にも費用がかかります。
住宅の大きさや形状にもよりますが、足場の設置費用は20万円前後です。
塗装工事の頻度を減らせますので、トータルで見ると無機塗料はコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
塗装には知識と技術が必要
無機塗料に限らず外壁塗装には職人の知識と技術力が必要です。
高い機能を持った塗料でも施工技術が低ければ性能を十分に発揮できません。
無機塗料はまだ登場して間もない塗料ですので、経験が浅い業者も存在します。
無機塗料での外壁塗装を検討している場合は、経験豊富な外壁塗装業者に依頼することが大切です。
塗料の質に幅がある
「無機塗料」と一口に言っても機能性や耐久性には幅がありますので注意が必要です。
実は無機塗料は無機物の含有量の定義が決まっておらず、例えば有機系塗料に少しだけ無機成分を配合しただけでも「無機塗料」として販売できてしまうのです。
そのため、無機塗料で塗装する際には塗料選びに注意が必要です。
品質の高い無機塗料を選ぶためには、カタログなどに試験結果が掲載されているか、無機物の配合割合はどうなっているかを確認することが大切です。
できれば無機塗料を開発実績したことのある大手塗料メーカーのなかから、外壁塗装業者と相談して選ぶようにしましょう。
無機塗料がおすすめの住宅
外壁塗装を長持ちさせたい家
外壁塗装を長持ちさせたい場合は高耐久の無機塗料がおすすめです。
特に紫外線が多く当たる場所や海沿いなど、外壁塗装が長持ちしにくい環境では無機塗料のような高耐久塗料で塗膜を長持ちできます。
こまめに外壁の色を変更したいといった希望がある場合は一般的な耐用年数の塗料がおすすめですが、そのような希望がなくとにかく長持ちさせたい場合は無機塗料を検討しても良いでしょう。
長期的なコストパフォーマンスを良くしたい家
無機塗料は高額ですが耐用年数が長いため、トータルで見ると外壁塗装コストを抑える効果があります。
長期的な面でお得にしたい場合は無機塗料がおすすめです。
工事をできるだけしたくない家
外壁工事の際には足場を組み、周囲をシートで覆います。
足場がかかった状態がストレスになる場合もありますし、業者や車両の出入りもあるため、なるべく工事をしたくないという方もいらっしゃいます。
また、足場がかかっている状態では防犯面で不安に思うこともあるでしょう。
その場合無機塗料で外壁塗装工事の回数そのものを減らすことができます。
無機塗料を検討している場合は外壁塗装業者に相談
高耐久塗料の無機塗料についてご紹介しました。
無機塗料は耐用年数が長く、機能性も高い塗料です。
しかし、一定のデメリットもあり、メンテナンスの頻度を考えるとシリコン塗料など有機塗料の方が良い場合もあります。
無機塗料を検討している場合は外壁塗装業者に相談して最適な塗料を選ぶと失敗を少なくすることができます。
新潟県刈羽郡を拠点に塗装工事を請け負う株式会社吉川塗装です。弊社は主に外壁塗装と屋根塗装を承っております。お客様の安全・安心な暮らしを守る塗装をお約束いたします。塗り替えやメンテナンスなど塗装についてのお悩みは何でもご相談ください。
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