外壁塗装と屋根塗装を同時塗装するメリットとデメリット

 

外壁と屋根は定期的に塗り替えリフォームを行う必要がありますが、外壁塗装と屋根塗装は同時に行った方が良い、という情報を耳にしたことはないでしょうか。

 

そこで、外壁と屋根を同時塗装するメリットとデメリットをご紹介します。

 

外壁・屋根の同時塗装のメリット

 

費用が安くなる

外壁と屋根の同時塗装で費用が安くなる理由は足場の設置が1回で済むからです。

 

足場は外壁塗装では必ず組むことになり、30坪の一軒家では足場代だけでも約10万円程度～約20万円程度かかります。

 

外壁と屋根を同時に塗装してしまえば足場の費用も1回分で済みますのでその分工事費用がお得になるだけでなく、自宅が足場で覆われた状態も1回で済みます。

 

1回の依頼で済む

塗装工事では業者に問い合わせして現地調査、見積もり、塗料を選ぶなどの打ち合わせ、日程調整などを行います。

 

同時塗装ではこれらの手間が1回で済み、時間的な負担も軽減することができます。

 

塗装デザインに統一感を出しやすい

外壁と屋根を同時に塗装する場合、塗料選びも外壁に合った屋根の色にするなど、統一感を考えた塗装になりやすくなります。

 

また、同じ業者に依頼することで、デザインがちぐはぐにならず統一しやすいなどのメリットがあります。

 

外壁・屋根の同時塗装のデメリット

 

まとまった資金を用意する必要がある

同時塗装は足場代が1回で済むためトータルの費用は安くなりますが、塗装はどちらか片方だけを塗装するよりも高額になります。

 

だいたいの費用相場として

 

屋根塗装のみの場合：約50万円程度～約100万円程度
外壁塗装のみの場合：約60万円程度～約120万円程度
同時施工の場合：約80万円程度～約200万円程度

 

となり、同時塗装ではまとまった資金を用意する必要があります。

 

工期が長くなる

同時塗装では塗装を行う箇所が多いためその分工期が長くなります。

 

数日の違いではありますが、その間、近隣への騒音や車両の通過の配慮や、足場が設置してあることにより見通しが悪い状態が続きますので防犯面で注意を払う必要があります。

 

外壁と屋根の劣化状況が同じとは限らない

外壁と屋根では劣化のスピードが異なり、紫外線が多く当たりやすい屋根の方が劣化が早い傾向があります。

 

そのため、劣化の状態が同じとは限らず、必ずしも同じタイミングで塗装を行うのが適切とは言えません。

 

しかし耐久性に関しては、屋根の塗料を耐用年数の長いタイプにするなど、外壁と屋根の塗装タイミングを合わせて対応することが可能です。

 

外壁・屋根塗装の手順

 

足場の設置

外壁工事は高所作業を伴うため、仮設足場を設置します。
足場の設置には約半日かかります。

 

高圧洗浄

高圧洗浄機で外壁についた汚れやコケ、カビなどを洗浄します。

 

外壁にホコリやゴミがついていると塗料が密着しにくくなってしまいますので高圧洗浄は重要な工程です。

 

洗浄後は1～2日間かけてしっかりと外壁を乾燥させます。

 

下地処理

ひび割れしている箇所のコーキング処理や錆びを落とす作業、ケレン作業を行います。
ひび割れ箇所が多い場合は下地処理に2日程度かかる場合もあります。

 

養生

サッシや玄関ドアなど、外壁塗料を塗らない場所をビニールや養生テープで養生します。
塗料が飛びそうな場所は植木や自転車などにも養生シートをかけて保護します。

 

外壁下塗り

シーラーと呼ばれる下地材を塗ります。
下地材を塗ることで外壁への密着性を高め、また、上塗り材の吸込みを防止し発色を良くします。

 

外壁中塗り

下塗り材の上には上塗り材を2度塗りします。
上塗り材の1回目を中塗りとも言います。

 

細かい部分を刷毛で塗っていき、その後広い範囲をローラーで塗ります。

 

外壁上塗り

1回目の上塗り塗料が乾いたら上から重ねて仕上げ塗りします。

 

屋根下塗り

屋根の塗り替えも外壁とほぼ同様に行います。
スレート屋根の場合は縁切り作業を行います。

 

屋根中塗り

上塗り材で1回目を塗ります。

 

屋根上塗り

上塗り材2回目を塗ります。

 

付帯部分塗装

雨樋などの付帯部分の塗装を行います。

 

点検

全工程が終わったら塗りムラ、塗り残しがないか点検します。
不備が見つかったら対応します。

 

足場解体・撤収作業

足場を解体します。

 

足場の解体は約2時間程度～約3時間程度で完了します。
足場を解体すると完成した外壁全てを見ることができます。

 

立ち合い・完了

お客様立ち合いのもと問題がないか確認を行います。
問題がなければ工事完了となります。

 

外壁塗り替えのサイン

外壁塗装、屋根塗装は塗膜が劣化したら塗り替え時期となります。

 

一般的に外壁塗料の耐用年数は10年程度と言われていますが、外壁にどんな劣化症状が現れてきたら塗り替えのサインとなるのでしょうか。

 

ひび割れ

外壁や屋根にひび割れが発生した状態です。

 

ヘアークラックと呼ばれる髪の毛のような細いヒビ割れの場合はあまり緊急性はありませんが、大きいひび割れがある場合には早急な補修が必要です。

 

塗装の剥がれ

塗膜の剥がれは外壁がむき出しになっている状態ですので、早めに塗り替え等の補修をする必要があります。

 

塗膜がポロポロ剥がれて地面に落ちているのを見つけたら外壁塗装業者に一度見てもらいましょう。

 

チョーキング

チョーキングは外壁を触ると手に粉が付いてくる現象を指します。

 

これは塗膜の防水機能が切れたことを示しており、外壁塗装の時期が来ているというサインの1つです。

 

ただ、チョーキング現象が起こっているからといって今すぐ雨漏りするわけではありませんので、チョーキング現象を理由に飛び込み営業をしてくる悪徳業者のセールス文句には注意しましょう。

 

目地の亀裂・剥がれ

外壁のコーキングが劣化して亀裂を起こしたり剥がれたりする現象です。
この場合はコーキングの打ち替えが必要になります。

 

外壁・屋根塗装はタイミングを合わせるのがおすすめ

外壁塗装と屋根塗装は同時に行った方がお得に施工できるほか、1回でリフォームが終わるため、依頼主にとっても楽になります。

 

しかし、どうしても屋根と外壁では劣化のスピードが変わってきますので、屋根に使用する塗料は耐用年数の高いものにするなど工夫をして屋根塗装と外壁塗装のタイミングを合わせるのがコツです。

 

建物の立地条件や外壁リフォームのニーズによっておすすめの塗料は変わってきますので、どの塗料を塗るかは塗装業者に相談しながら選ぶと安心です。