外壁塗装の色褪せの原因と色褪せしやすい色・色褪せしにくい色

 

新築の頃はきれいだった外壁も
施工から約10年以上経過すると色褪せが起こることがあります。

 

外壁塗装の色褪せは家を古く見せてしまい、建物の美観を損ねてしまいます。

 

ここでは外壁塗装に色褪せが発生する原因と
色褪せが目立ちやすい外壁の色などについてご紹介します。

 

外壁塗装が色褪せる原因

外壁が色褪せる原因は主に塗料の劣化によるものです。

 

外壁は紫外線が常に当たる過酷な環境下にあり
外壁を保護している塗膜は日々劣化していきます。

 

顔料の結合が切断してしまう

塗料は顔料でできていますが、顔料は原子同士の結合で構成されています。

 

顔料の原子同士の結び付きよりも強いエネルギーを受けてしまうと
結び付きが破壊されてしまいます。

 

紫外線のエネルギーは顔料に含有されている化合物の結合エネルギーよりも強く
紫外線が当たることによって結合が切断されてしまう為
色味に変化が起こってしまい、色褪せという現象に繋がっていきます。

 

化学変化で他の物質に変化してしまう

塗料は酸化などによる化学変化で他の物質に変化してしまい
色が変わってしまう事もあります。

 

化学変化は空気中の酸素に触れることによって引き起こされますが
熱によって促進される事もあります。

 

日光により熱が外壁に当たる事で化学変化を促進させる可能性があります。

 

色褪せを放置すると外壁が劣化していく

外壁塗装したての時よりも色が薄くなっている
白っぽい部分が出来ている場合、外壁塗装の色褪せが起こっています。

 

色褪せは家の外観を古く見せてしまうだけでなく
塗膜の防水機能が低下しているサインになります。

 

塗料の塗膜には水の侵入を防ぎ、建物の内部を守る機能がありますが
塗膜が劣化していると建物の内部に水を侵入させてしまうおそれがあります。

 

色褪せは汚れではないので掃除では取り除く事ができません。
外壁塗装の塗り替えが必要になります。

 

外壁塗装は一般的には約10年程度に1度の塗り替えが目安となります。

 

色褪せが起こりやすい外壁の色

外壁には色褪せが起こりやすい色と起こりにくい色があります。

 

色褪せしやすい色を外壁にしていると経年により色褪せが目立ち
家に古びた印象を与えてしまいます。

 

特に色褪せしやすい色は以下の3色です。

 

赤

赤色の顔料は数種類ありますが
どれも耐光性が低く、紫外線により色褪せを起こしやすい色です。

 

自動車でも赤色の自動車は色褪せしやすいという特徴があります。

 

実際に外壁を原色の赤にしようとする方は少ないかと思いますが
覚えておくと良いでしょう。

 

黄色

黄色は最も早く色褪せが起こると言われている色の1つです。

 

赤色と黄色の顔料は窒素元素同士が結合している部分が多く
これが紫外線に切断されてしまう為、他の色よりも早く色褪せしてしまいます。

 

しかし一方で同系色の黄土色は色褪せしにくいという特徴を持っています。
黄色系の外壁にしたい場合は黄土色にするのがおすすめです。

 

紫

紫色も褪色しやすい色と言われています。

 

紫には青みが強い紫色と赤みが強い紫色がありますが
赤みが強い紫色の方が褪色が早い傾向があります。

 

色褪せしにくい外壁の色

それでは逆に色褪せしにくい色は何色なのでしょうか。
特に色褪せしにくい色を3色ご紹介します。

 

白

白色の塗料の顔料に使用されている「酸化チタン」は無機顔料です。

 

色素の結合の切断が起こりにくく、化学変化も起こりにくい為
色褪せが発生しにくいという特徴を持っています。

 

ただ、白は汚れが目立ちやすいというデメリットもあります。
白系でも真っ白ではなくアイボリーやライトグレーなどを選ぶのがおすすめです。

 

黒

黒色の顔料に含まれるカーボンブラックは
強固な炭素結合をすることが特徴で、光では分解されないという性質を持っています。

 

ただ、黒も汚れが目立ちやすく、さらにピアノブラックなどの艶ありの外壁では
光沢がなくなってくると一気に褪色したような雰囲気になってしまうというデメリットがあります。

 

青

青色も顔料の元素同士の結合が耐光性に優れており
色褪せしにくいという特徴があります。

 

ネイビーブルーのような濃い青色はスタイリッシュな外壁に仕上がります。
真っ黒よりもややカジュアルで柔らかい印象になります。

 

定期的な外壁リフォームで色褪せを解消する

外壁は常に紫外線を浴びているため、色褪せから免れる事は不可能です。

 

外壁塗装は定期的な塗り替えを行う必要がありますが
色褪せをしにくい塗料を選ぶことで色褪せを遅らせる効果が期待できます。

 

定期的な外壁メンテナンスを行う

外壁塗装は約10年おきに行うのが一般的です。

 

定期的にメンテナンスを行うことで
建物を長く健康に保てるだけでなく、色褪せを放置せずに済みます。

 

外壁塗装はあらかじめリフォーム計画に入れておき
時期が来たら塗り替えを行うようにしましょう。

 

色褪せしにくい塗料を使う

外壁塗料の中でも色褪せしにくい塗料も存在します。

 

白色の塗料は色褪せしにくい色ですが
顔料に含まれる酸化チタンが光に当たると「ラジカル」という劣化因子を発生させ
塗膜を破壊していきます。

 

ラジカルが発生する原因となる酸化チタンはどの塗料にも含まれており
ラジカル発生すると塗膜が劣化したときに色褪せて見えてしまいます。

 

また、酸化チタンはどの色の塗料にも含有しています。

 

最近ではラジカルの発生を抑えた酸化チタンも開発されており
そのような顔料を採用した外壁塗料は外壁の色褪せを防ぐ事ができます。

 

また、耐候性の高い外壁塗料を使うことで塗膜の劣化が進みにくく
色褪せも起こりにくくなります。

 

特に色褪せが気になる色の外壁や
直射日光が当たりやすく色褪せが起こりやすい方角の外壁では
耐候性の高い塗料を使うことをおすすめします。

 

中でも無機成分を配合したフッ素塗料は
耐候性が高く色褪せがしにくいため、色褪せが気になる場合は使ってみると良いでしょう。

 

外壁塗装の専門業者に相談すると失敗しにくい

外壁塗装の色褪せを防ぐためには、定期的な外壁リフォームが必要です。

 

また、色褪せ・劣化を遅らせる為には
耐候性の高い塗料を使用するという選択肢もあります。

 

外壁の劣化の進行は建物の立地や周辺環境によっても変わってきますので
外壁塗装を得意としている業者に相談しながら決めると失敗が少なくなります。

 

もし外壁の色褪せが気になるようであれば
一度専門業者に相談して適切な外壁塗料を選ぶと良いでしょう。