-外壁塗装の断熱塗料の仕組みとは？期待できる断熱効果-

夏は暑く冬は寒いという住環境を改善しようと、断熱塗料での外壁塗装を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、そもそも断熱塗料はどのような仕組みで断熱効果を発揮しているのか、疑問に思われている方も少なくないでしょう。

 

今回は、断熱塗料の仕組みや、期待できる断熱効果について解説します。

 

 

断熱塗料の仕組み

 

断熱塗料の仕組みは塗料に含まれる成分が影響しています。

ここでは、代表的な断熱塗料が断熱効果を発揮する仕組みをご紹介します。

 

 

太陽光線の種類

 

太陽光は「紫外線」「可視光線」「赤外線」の3つの光線を発しています。

 

なかでも赤外線は熱を感じる光線で、外の暑さを住宅内に伝わりにくくするためには、赤外線を防ぐ必要があります。

 

 

断熱塗料が断熱する仕組み

 

断熱塗料には「中空セラミックビーズ」と呼ばれる素材が配合されています。

中空セラミックビーズは中に空気層を持つ多孔質セラミックでできたビーズです。

 

断熱塗料で外壁塗装をすると、その表面には中空セラミックビーズがびっしりと敷き詰められたような状態になります。

 

そのセラミックビーズ層が熱を反射、屈折させるため、外部から太陽光線が入ることを防ぎ、断熱効果を発揮します。

 

また、中空セラミックビーズは中が空洞のため、熱の伝導率が低く、外壁塗装の内外で熱移動が抑制される効果があり、これも断熱塗料が持つ断熱効果の一つです。

 

 

断熱塗料の効果

 

断熱塗料は断熱効果のほか、防音効果、節電効果、結露防止効果などがあります。

 

断熱効果

 

断熱塗料は、特殊セラミックによる空気の層が戸外の気温を室内に伝えにくくする断熱効果があります。

 

エネルギー伝導率の低い特殊セラミックが夏の外の熱さを室内に伝わりにくくし、室内の温度上昇を抑える効果が期待できます。

反対に、冬場の冷気も室内に伝わりにくく、室温の低下を防げます。

 

 

防音効果

 

断熱塗料で外壁塗装をすると防音効果も期待できます。

複数の層を持っている特殊セラミックが音の振動を小さくし、外の音を室内に伝わりにくくします。

 

 

節電効果

 

断熱塗料で外気温が室温に影響しにくくなると、節電効果が期待できます。

夏は室温の上昇が抑えられることで冷房の節約に、冬は室温の低下を防ぐことで暖房の節約につながります。

 

 

結露防止効果

 

結露は冷えた外壁と室温の温度差で起こります。

断熱塗料で外壁塗装した場合、断熱効果により外壁と室内の温度差を小さくすることができ、結露の発生を防ぎます。

 

結露はカビの発生の原因や木材の腐食の原因となるため、断熱塗料は家を健康な状態に保つ機能もあるといえるでしょう。

 

 

断熱塗料と遮熱塗料の違い

 

断熱塗料と間違われやすい塗料が遮熱塗料です。

両者には次のような違いがあります。

 

 

断熱塗料

 

断熱塗料は熱の伝導を抑える働きを持った塗料です。

外の熱や冷気の侵入を防ぎ、室内の温度を一定に保つ機能があります。

 

そのため、夏は涼しく、冬は温かい室内を保つ効果が期待できます。

 

 

遮熱塗料

 

遮熱塗料は光を反射して熱の発生を抑える塗料です。

屋根や外壁が受ける太陽光の熱の影響を減少させ、室内の温度上昇を抑える効果が期待できます。

 

遮熱塗料は光を反射して太陽の熱が室内に伝わらないようにする効果のある塗料ですので、冬の寒さを防ぐ効果はありません。

 

そのため、冬は室温が低くなりやすくなります。

 

 

外壁塗装の断熱効果と色の関係性

 

白は黒に比べて光を反射するため熱を感じにくいということは、外壁塗装にも当てはまります。

 

白っぽい外壁の方が日射反射率が高く、黒っぽい色は日射反射率が低い傾向があります。

これは断熱塗料、遮熱塗料に限らずどの塗料でも同じことがいえます。

 

断熱塗料では断熱性能が高い家では濃い色で外壁塗装をしてもあまり影響はありませんが、断熱性能が低い家では塗料の色は明るい色を選ぶことをおすすめします。

 

 

断熱効果を高めるには家全体で断熱対策をする

 

家全体の断熱効果を高めるためには、外壁塗装だけでは限界があります。

木造住宅は室内の熱が外に逃げてしまう性質があるため、対策をしっかりと行わないと夏は暑く、冬は寒くなるだけでなく、暖房効率も悪くなってしまいます。

 

次にご紹介する対策を組み合わせて、家全体の断熱性能を高めることが大切です。

 

 

断熱材

 

断熱性と気密性の高い断熱材を使用し、内壁と外壁の間に施工することで、外気が遮断され、冬は温かく夏は涼しい、断熱効果の高い住まいを実現しやすくなります。

 

断熱材は目に見えない場所に施工しますが、しっかりと対策しておくと過ごしやすい快適な家になります。

 

 

サッシ

 

室内で最も熱が逃げやすいのが窓です。

暑さ寒さ対策には性能の良いサッシを使用し、断熱性、気密性を高めることが大切です。

 

サッシをペアガラスにするだけでも、住宅の断熱性を高められます。

また、カーテンなどを機能性のあるものに変更するだけでも、夏の暑さや冬の寒さをある程度遮断できます。

 

 

空調システム

 

エアコンやストーブなど、空調にはさまざまなものがありますが、家の構造に合った空調システムを選ぶと効果的です。

 

性能の良い空調システムでは、家全体を快適な温度に管理する全館空調システムや、足元から温かさが伝わる床暖房などがあります。

 

 

吹き抜け・リビング階段は避ける

 

吹き抜けやリビング階段はおしゃれな家を演出してくれますが、冬場は家が温まりにくいため、適していない場合があります。

 

また、吹き抜けは天井裏がなく、断熱性が低くなるため、夏の暑さが住宅内に伝わりやすいというデメリットがあります。

 

注文住宅で吹き抜けやリビング階段を希望している場合は、事前に暑さ寒さ対策を考えておくようにしましょう。

 

 

断熱塗料で外壁塗装を希望する場合は業者のアドバイスを参考にする

 

断熱塗料で外壁塗装を希望する場合、塗料の種類選びなどは外壁塗装業者のアドバイスを参考にすると失敗を防げます。

 

断熱塗料だけでは高い断熱効果を得られない場合もありますので、住宅の断熱対策などを総合的に考えて家全体で断熱をしていくことが快適な住まいづくりにつながります。

 

家の構造によっては断熱塗料や遮熱塗料では効果を感じにくいケースもありますので、お悩みを業者に相談して、最適な塗料の提案を受けたうえで検討していくことをおすすめします。